御挨拶

 3万余名の同窓生の皆様、お元気でしょうか。
 日頃は、同窓会活動の御理解と御支援を賜り、心より御礼を申し上げます。
 今年も又、生命の息吹を感じさせる春が巡って参りました。
 今年学校を卒業される皆様にとっては、希望の春が始まることでしょう。又、私達同窓生も、この光溢れる季節を機会に新たな人生が開けていくことを信じております。
 しかし、日本中、そして世界を見渡すと、様々な問題が起きており、人類の叡智と道徳はいったいどこにいったのかと考えさせられます。
 まず、地球温暖化が止まりません。19世紀の産業革命以来1.2℃ 気温が上昇しており、これをパリ協定(COP28)で決めた1.5℃ 上昇に抑える為に、化石燃料廃止をかかげていますが、ほぼ絶望的です。
 さらに、海水温度が1℃上がると、大気中の水蒸気が15%増え、異常気象や災害が起こり、食料、水が不足します。その為、インフレが恒常化し、地球上の80億人の内、10億人の食糧難を起こします。経済格差が広がり、社会は不安定になり、アメリカのように大衆迎合するようなポピュリズムの力が強くなり、民主主義が揺らいで政治的な総合危機が起こり、それが戦争を起こすことは過去の歴史が証明しております。
 当然、政治的政策、経済的政策に係る人達の努力は必要ですが、その他に、私達一人一人の心の持ち方が必要でないかと思います。これを変えぬかぎり、この問題を解決することは出来ないと思います。
 現代の資本主義は、確かに豊かさを人類にもたらしました。しかし、この経済成長は、地球の資源を使い尽くす程の規模となり、今や地球の資源、環境、地球そのものを絶滅させる危機を迎えようとしています。ここで人類は、「良識と道徳と正気」を取り戻す必要があると思います。
 地球は、自分だけのものではなく、豊かさも、自分だけが享受出来れば他はどうなっても良いと云う現代人の「人の道」に外れた行動を戒めなければならないと思うのです。
 例えば、例をあげれば、食料も、食料自給率37%の日本で、年間600万tの食料が捨てられていて、これは世界中の貧しい人達への食糧支援240万tをはるかに超えているのです。そして二酸化炭素の発生の10%は、この食物ロスによるものと云われております。まず家庭で買った食品をなるべく上手に使い、食物ロスを半分に抑えれば貧しい人達の食料の充実が出来ます。そのようなところから温暖化が皆様の努力で少しは防げるのです。そして私達は、今の世の中を変えられるのではないでしょうか。
 京都の龍安寺の石庭に、水戸黄門が寄贈した「知足のつくばい」があります。そこには「我唯足知」( われただたるを知る)とあります。
 エリザベス女王が京都を訪れた時に、この「つくばい」に感動したと云われております。「今の自分の生活に感謝し、それをむさぼらない」これは釈迦の「布施」の教えでもあります。
 心を落ち着け、欲望を抑えて、この沢山の人類の住む地球に心を寄せようではありませんか。そして、現代に必要なのは、それをしっかり教える「正しい教育と道徳」が必要であって、そして学校は、それを学び、人格を形成するところであります。
 母校もそのような学校になりますよう、皆で努力する必要があると思うのです。
 そして、物心両面で同窓生の皆様からの心からなる御支援を、母校に賜りますよう願うものでああります。
 同窓生の皆様と在校生の皆様、そこに係る母校と市民の皆様の御発展を、心よりお祈り申し上げております。

2024年4月     
同窓会長 石川 幸夫